禅文化歴史博物館The Museum of Zen Culture and History

館蔵資料展2006「禅のかたち?禅のこころ-中世から近代まで-」(2006.05.29~07.27)

企画展示室
Date:2006.05.29

会 期 2006年5月29日(金)~7月27日(木)
会 場 禅文化歴史博物館 2階 企画展示室
後 援 世田谷区教育委員会

禅文化歴史博物館では、仏教ならびに禅宗?禅文化に関する資料を中心に、収集?調査?研究に努めています。
今回の館蔵資料展では、その成果の一部を、二期に分けて紹介します。
前期は館蔵資料から中近世の禅文化資料の逸品を、後期は昨年度に寄贈された新資料から、駒澤大学にゆかりの深い近代の禅僧の墨蹟を展示し、中世から近代まで脈々と続く禅の営みをたどります。禅文化が育んだ造型の中に、その精神を読みとる機会としていただければ幸いです。

主な展示資料

前期 5月29日~6月30日
  • 茶の湯と禅 高麗茶碗ほか
  • 五山禅僧の墨蹟 策彦周良墨蹟ほか
  • 祖師図と頂相 真巌道空頂相ほか
後期 7月3日~27日
  • 畔上 平吉氏寄贈
    大本山総持寺独住2世畔上楳仙関係資料
  • 栗原 万修氏(駒澤大学名誉教授)寄贈
    駒澤大学ゆかりの禅僧の墨蹟

関連行事

第12回禅博セミナ―「中近世社会と禅宗」

日時:6月16日(金)16:20~18:00
講師:廣瀬 良弘(駒澤大学文学部教授)
定員:50人

(前期)中近世の禅文化

Ⅰ 茶の湯と禅

日本に喫茶の風習をもたらしたのは、臨済禅を伝えた栄西(1141-1215)といわれるように、禅と茶は古くから深い結びつきがあります。
禅宗の伝来に合わせて、中国文化を輸入する唐物受容が盛んとなり、茶碗も唐物茶碗が用いられました。
やがて千利休(1521-91)らによって、茶道に禅の精神が取り入れられ、公武に広くにたしなまれた頃になると、唐物茶碗に代わって高麗茶碗が用いられるようになりました。
今回は武家ゆかりの茶碗と、禅僧ゆかりの茶碗展示します。

高麗茶碗

16-17世紀/口径14.5 高7.0 底径7.0
伝来:土方篷雨―竹腰篷月―山内飽霜軒主
付:狂歌掛軸 小堀宗中筆/天保頃(1830-44)
由来記 堀田宗達筆/昭和13年(1938)
受書 堀田宗達筆/昭和13年(1938)

本茶碗には「由来記」が添えられ、土方篷雨―竹腰篷月―山内飽霜軒主と伝来したことが知られる。
土方篷雨(縫殿助、?-1863)は沼津藩水野家の家老、竹腰篷月(正美?正富、1819-84)は尾張徳川家の付家老、山内飽霜軒主は大正~昭和期の茶人で、先祖は竹腰家の家臣であった。
土方と竹腰の両名は、遠州流茶道八代目?小堀宗中(1786-1867)の弟子で、多くの茶道具を収集したことで知られている。
?八幡名物?餌袋?と本茶碗